将来に備えて資産運用を始めようとした人が最初に躓くのが商品選びです。

資産運用を行う商品には、様々な方法・商品があり、どれを選べばよいのか迷ってしまう人が多いです。

皆が利用している売れ筋のものを選べば安心というほど簡単なものではありません。人気の商品を右へ倣えで良いのなら、資産運用や投資で失敗する人はもっと少ないはずです。

運用商品を選ぶ上で重要なのは、投資の目的にあったものを選ぶということ。ここさえ押さえておけば、そうそう大きな失敗にはなりません。

では、どのようにすれば自分にあった商品を見つけ出すことができるのでしょうか?

◯目的を決める
当然ですが、目的にあった運用を行うためには「なんのために運用をするのか」という目的をはっきり決めなければ始まりません。
「なんとなく将来が不安」「運用をしたほうが良いと聞いた」などぼんやりした理由でスタートしてしまうのはNGです。目的がはっきりしなければ、商品選びの基準もあいまいになります。運用結果もぼんやりとしたものにしかなりません。

●現状把握
これからどうしていきたいかを考えるためには、まず今どういう状況におかれているのか把握しなければなりません。運用できるほど家計に余裕があるのか、どの程度運用に回すことができるのかをはっきりさせましょう。
現在の家計については、2つのアプローチで確認しましょう。

・お金の出入り
毎月どのぐらいの収入があって、それに対してどの程度の支出があるのかを確認します。いわゆるキャッシュフローです。
月間の収支だけでなく、年間収支についてもはっきりさせておくとなお良いです。

・資産の確認
バランスシートを作成し、資産残高の確認をします。なんだか難しそうですが、プラスの資産とマイナスの資産をそれぞれ確認するだけです。これによって、現在の資産の状況と、これからどれだけ運用にあてられるかどうかが分かります。

プラスの資産には、預金や株式・投資信託、保険、家、車などがあります。
投資信託や株式については、取引報告書を見て金額を確認しましょう。保険については今の解約払戻金で考えます。家や車の場合も、今売ったらいくらになるかで計算しましょう。
マイナスの資産には、クレジットカードの未払金や、住宅ローンなどがあります。

資産がプラスなら、積極的な資産運用が行えます。純資産がマイナスの場合は、安定を重視した資産運用がおすすめです。

●目的を決める
家計の現況を把握したら、次に運用の目的を決めます。
すでに述べたように、なんとなくで運用を始めてしまうと、商品の選び方も期間の決め方もあいまいになってしまいます。なんのために運用をするのかよく考えて決めておきましょう。

よくある目的としては、老後のための生活資金や、子どもの教育資金、住宅購入資金などがあります。

●期間を決める
目的が決まれば期間も自動的に決まります。

例えば、老後のための資金であれば長期運用になり、10年~30年ほどになります。子どもの教育資金の場合、子どもが生まれてから独り立ちするまでになりますから、5年から長くても20年ほど。
旅行のための資金を貯める場合などは、1年から3年程度の短期間の運用になります。

運用期間が決まれば、選ぶべき金融商品も自然と絞られていきます。目的なく無数にある金融商品の中から良いものを選ぶよりも、ずっと簡単に進められるようになります。

◯金融商品の選び方
●商品の種類
資産運用を行う際、金融商品は「自分で運用するもの」と「プロに運用してもらうもの」の2つに分けられます。

・自分で運用するもの
貯金
株式
債権

・プロに運用してもらうもの
投資信託
保険

自分で上手に資産を運用するためには、金融に関する知識と経験がかかせません。個人で行う場合はある程度まとまった資金も必要です。運用中は金融や経済に関するニュースなどにアンテナを張り続ける必要もあり、初心者にはなかなかハードルが高いです。
慣れないうちはプロに任せられる投資信託や保険がおすすめです。

●リスクコントロール
運用を行う際に重要なのがリスクの分散です。
これは、自分で運用する場合でもプロに運用してもらう場合でも同じです。

一つの会社の株式だけでは、その会社が潰れた時に運用していた資産が一気になくなってしまいます。しかし1つではなく2つの会社に分けていれば、片方が潰れても半分の資産は残ります。
資産運用を行う時は、リスクに備え、複数の企業や国に分散したり、株だけでなく債権も扱うなど対象を分けたりするなどのリスクコントロールが重要になります。

●商品の選び方
・自分で運用する場合
国内だけでなく、海外の企業も対象に株や債権を購入します。

どこの商品を購入すべきか見極めるためには、運用に関する知識と世界経済などへの関心と理解が必要です。日々の変化を知るためには時間も必要になります。

・プロに運用してもらう場合
細かな商品の選択はプロが行いますが、主な方針などは自分で決めることになります。どんな商品を選んだらよいか、自分で勉強したり、プロのアドバイスを聞いたりしながら決めていきましょう。

●最初は少額の運用から
資産運用には、一気に資金を動かすものと毎月地道に積み立てていくものがありますが、最終的にどっちを選ぶにせよ、最初は少額から始めましょう。
資金を投入するのは運用の勝手が分かってからです。まずは少ない資金で運用の基本を学びつつ、資産を増やしていきます。少額からスタートすれば、万が一失敗してしまっても勉強代程度で済みます。

◯資産運用を始めるための基礎知識
自分で運用する場合でも、プロに依頼する場合でも、お金に関する基礎知識は必要です。今回はその中でも運用をする上で重要な3つのキーワードについて簡単に解説します。

●単利・複利
金利には単利と複利の2種類があります。

単利は最初の元本に対してのみ利子がつくものです。一方複利は、元本にどんどん利子を付け足していきながら利子を計算します。

例えば100万円を年5%で10年間運用したとします。この時単利では150万円になりますが、複利だと約160万円になります。
この差は運用期間が長ければ長いほど大きくなります。長期間の運用を予定しているなら複利の商品を選びましょう。

●税金
資産運用によって利益が出ると、原則20%の税金になります。ただし、資産運用にかかる税金についてはiDeCoやNISAなど様々な制度があり、うまく利用することで節税ができます。

●インフレ
インフレは物価が上がっていくことで相対的にお金の価値が下がっていくことです。

インフレが起こると、持っている資産の価値は目減りしていきます。資産運用を行う際は、最低でも物価の上昇よりも高い数値で増やしていかなければ意味がありません。運用による利益がインフレに追いつけなければ、数字だけが僅かに変わっているだけで、実際の資産は全く増えていないのと同じことになってしまいます。

◯まずは現状の把握から
最近ではインターネットで誰でも簡単に資産運用を始められるようになりました。しかし、特に目的を決めないまま安易に運用を始めてしまったがために、納得行かない結果になってしまう人も少なくありません。
無数にある金融商品の中からベストなものを見つけるためには、なんのために資産運用をするのかという目的を決めることが重要です。

そのためには、今の家計の状態を把握し、どれだけのお金を運用に回すことができるのか、どんなタイプの運用が向いているのかを知ることが重要になります。