アパート投資に向いている土地の条件は?

アパート投資成功のコツは何よりも良い土地を選ぶことです。
アパート投資とマンション投資の大きな違いは、土地の所有面積です。一棟単位の購入となるアパートは物件価値のうち土地の占める割合が多く、時間経過で価値の下がりにくい土地の資産価値は重要な意味を持ちます。

◯建物の価値は時間経過で減少していく
アパート投資と行う場合、建物だけではなく土地も自分の目で選択することになります。

建物の資産価値というのは、築年数の経過に伴いだんだん減少してゆきます。減価償却によって建物の持つ資産価値は、最終的にはゼロになります。また、古い建物は修繕や清掃など維持費がかかるため、家賃収入と維持費が逆転し、維持費のほうがかかってしまうようになります。

しかし、土地の場合は時間経過で資産価値がゼロになることはありません。需要の変化や周囲の環境変化で多少の上下はあるものの、建物のように価値が急落することもありません。維持にかかる費用も時間経過で増えるということもありません。

マンション投資は部屋単位での投資になります。資産価値のうち、土地の占める割合はほんの僅かで、大半が建物の価値となります。ところが、建物の価値は時間が経つとともに減っていくため、マンションの価値というのは築年数が経てば経つほどゼロに近づいてしまいます。
マンションの大規模な修繕や建て替えには多額の費用と所有者の同意が必要になり、もとの価値を取り戻すのは困難です。売却価格が落ちきる前に、上手にタイミングを見て手放すことが求められます。

アパートの場合、一棟を一人で所有しているため、修繕も建て替えも簡単です。建物が古くなっても土地の価値は残っているので、売却するのもずっと容易です。

土地の所有面積が広く、物件の価値が下がりにくいのがアパート投資最大のメリットです。このメリットを最大限に活かすためには、物件価格のうち土地の価値が占める割合の多い物件を選ぶことが大切です。

◯良い土地の条件
土地価格の占める割合が多く、資産価値減少の恐れが少ない土地というのはどのような特徴のある土地なのでしょうか?

●利便性が高い
利便性の良さというのは、賃貸住宅で最も重視されるポイントです。

通勤通学が便利で家賃が許容範囲内なら、残りの条件には目をつむって物件を決めてしまうという人は多いです。駅から徒歩圏内の物件は需要が高く、入居者が集まりやすいです。空き室リスクが低いため安定した家賃収入が見込めます。
交通の便の良さは、アパートから駅までの近さだけではありません。最寄り駅から主要駅までの距離や乗り換え回数などもチェックポイントです。アパート周辺の道路環境も重要で、坂や階段の多いエリアは車などが入りにくく、マイナスポイントになります。

スーパーやコンビニエンスストアなど、買い物が便利であることも土地の価値に影響します。
特に都市部では自家用車を持たない世帯が年々増加しており、徒歩や自転車圏内にスーパーやコンビニ、ドラッグストア等があることが重視されています。
他にも、病院や郵便局、役所などの近さも利便性を評価する際のチェックポイントになります。
ファミリー向けの物件を扱うなら、小中学校や保育園などが近くにあることも重要になります。

このような利便性の良い土地は、資産価値が下がりにくいだけでなく、上昇も期待できます。周辺で再開発があれば、更に人やお店が集まり、より便利な住環境になっていく可能性があります。

初期投資は多くなってしまいやすいですが、入居率が高く安定した収入が望めるため、ローンの返済も順調に進みやすいです。土地自体の需要も高いため、手放しやすいというのもメリットです。

●安全性が高い
駅から近く買い物できる場所があっても、安全面に問題のあるエリアの土地は資産価値が低くなりやすいです。

特に女性や子ども、高齢者のいる世帯では、安全面や環境面に問題のある物件は敬遠されます。ファミリー層を対象にしたアパートを建てるなら、安全・環境両面にも気を配る必要があります。

たとえ若い男性をメインターゲットとしていても油断はできません。治安の悪いエリアは物件価値が急落するリスクが高いです。近隣で事故や事件が起これば入居者が離れる原因になりますし、騒音問題も発生しやすくなります。更に、問題のある住民がトラブルおこす可能性も高くなり、アパート経営のリスクは上昇します。

利便性の高さばかり追い求めると、繁華街の近くなどの物件を購入してしまいやすいですが、資産価値を維持することを考えるのであれば、安全面や環境についても気を配る必要があるでしょう。

◯買ってはいけない土地の条件は?
条件の良い土地が欲しいのは誰でも同じで、なかなかすべてが揃った土地にめぐりあうのは難しいもの。
しかし、安易に安い土地を購入するのは危険です。条件の良くない土地は入居者が集めにくいだけでなく、手放すのも難しいです。
赤字が多く手放そうと思っても、買い手がすぐに見つからずに維持費ばかりかさむことになったり、泣く泣く売却価格を下げる必要に迫られたりなど、良いことはありません。

では、気をつけるべき土地というのはどのような土地なのか、確認していきましょう。

●地盤が弱い
丈夫な建物のためには丈夫な地盤がかかせません。

地盤が弱いと、地震の揺れで建物が壊れやすくなったり、液状化したりする原因になります。
川の近くの低地なども、台風や大雨で水害にあいやすいため注意が必要です。

こうした土地は価格が安かったり、利便性が良かったりしても手を出してはいけません。資産価値が下がりやすいだけでなく、災害などが起こった際の修繕費が大きくなるからです。しかも、一度災害が起こるとエリア全体の人気が下がり、入居者を集めるのが難しくなってしまいます。

●接道義務を満たしていない土地
接道義務は建築基準法に定められたもので、建築物の敷地は道路に2m(もしくは3m)接していなければならないという決まりです。この時、道路の幅は4m(もしくは6m)以上必要になります。

これは避難経路や災害時の車両通行などを確保することを目的としたもので、この条件を満たしていない土地には建築物を建てることができません。
空き地ならばそのままにするしかありませんし、建物が経っていたとしても建て替えはできず、リノベーションやリフォームしかありません。
今建っている建物が綺麗で新しくても、火事や地震で建物がなくなってしまった場合に新しいものを建てられないため、非常にリスクの高い土地です。

接道義務を満たしていない土地は非常に安いですが、用途が狭くリスクも高いため、資産価値はほとんどありません。隣接している土地をあわせて購入して接道義務をクリアする予定でもない限り、購入するべきではありません。

似たような条件の土地に、旗竿地というものがあります。
これは、道路から奥まった場所にある土地が接道義務を果たすために2~3m幅の長い土地を道路まで伸ばしたものです。
接道義務はクリアしているため建築や建て替えは可能ですが、建築の際重機が入りにくく建築費用がかさんだり、日当たりや風通しに問題があったりする場合も多いです。
普通の土地に比べて旗竿地も安価ではありますが、土地取得費は安くてもその他に費用がかかりやすいため注意が必要です。

●住居以外も許可された用途地域
用途地域というのは、都市計画法で定められた土地の使いみちです。

例えば、閑静な住宅街に大きなディスカウントストアが経ってしまうと、騒音問題でトラブルになってしまいます。また、工場が並ぶ地域に住宅を建ててしまうと、工場の排気で健康問題をおこしたり、工場に出入りする大型の車両と歩後者との事故にもつながります。そこで、それぞれが効率的に活動できるように土地の用途を法律で定めています。

用途地域は大きく、住居地域・商業地域・工業地域の3つに分けられ、更にその中で細かく分類されています。アパート用地を購入する際は、住居地域を選ぶようにしましょう。工業地域は騒音や健康問題、商業地域は治安の問題などが起こりやすいためです。
ただし、住居地域でも第一種低層住居専用地域などは制限が厳しく、コンビニすら許されません。リッチによっては買い物に不便することになるため、利便性と天秤にかけてよく検討しましょう。

●建築条件付き土地
建築条件のついた土地というのは、土地価格を下げる代わりに建物を建てる建築会社が指定されているというものです。

建築条件付き土地を購入する場合、その建築会社がアパート建設に対応しているかどうかの確認が必須です。一般住宅のみを手がけていて、賃貸アパートは扱っていないという建築会社も多いです。

もし指定先がアパート建設可能な建築会社でも、他の会社と比較できないというデメリットは大きいです。
普通、建築会社を決める際は複数の会社に相談し、見積もりを比較したうえで価格交渉を行ったり、間取りなどの改善を行ったりします。建築条件付き土地ではこのような比較や交渉が難しいため、建築費がかさんだり思うようなアパートづくりができなくなったりしやすいです。
安いからと言って安易に購入せず、指定されている建築会社について良く調べておく必要があります。

◯アパート投資の成功には良い土地がかかせない
建物の価値は年数とともに減少しますが、土地の価値というのはそう簡単に減りません。良い土地を購入できれば資産価値の減少量を抑え、安定性をあげることにつながります。また、土地価格は建物と違って上昇も期待できるため、売却益も期待できます。

資産価値が減りにくい物件の主な条件は、利便性が高いことと、周辺環境が良いことです。
ただし、この2つの条件を満たしていても、地盤が弱かったり接道義務を満たしていなかったりなど注意するべき土地は存在します。

注意するべき点を抑えつつ、好条件の土地を購入することができれば、アパートの経営も安定し、定期的な家賃収入が得られます。更に、需要の高い土地は手放すもの簡単で、出口戦略も描きやすくなります。