投資用不動産物件を安く購入するための交渉テクニック

◯投資用不動産を安く購入することのメリット
投資の基本はできるだけ安く買ってできるだけ高く売ること。
それは家賃収入を主目的とした不動産投資でも同じです。

不動産の売買益(キャピタルゲイン)を目的としない場合でも、最終的には物件を売却して利益を確定することになります。不動産を安く購入できればそれだけローンも少なくなり、返済負担の軽減や利息の節約にもなります。

●不動産価格は交渉次第
不動産の値段は売り主の言い値で決まっています。それは業者から購入する場合でも個人からでも同様です。交渉次第で高くすることも安くすることもできます。

価格交渉するのは申し訳ない、みっともないと思っている人もいるかも知れません。しかし、投資を行う場こちらも向こうも商売です。値引きを求めるのは当然で、恥じらうことも遠慮することもありません。
むしろ、売り主が多少の交渉を前提に価格を決めている場合は、交渉しなければそれだけで損をすることになってしまいます。

また、価格交渉は買い手にのみ利益があるものではありません。
購入額を抑えたことでローンの返済が早く終われば、次の物件に手を出しやすくなり、不動産業者にも早く次のチャンスが訪れます。また、順調な返済は金融機関からの印象も良く、銀行からみた不動産業者の評価を上げることにもつながります。

◯不動産業者を訪れるのは決算前のタイミング
不動産業者のセミナーに参加したり、物件の問い合わせをしたりするのは、決算月や期末月の1ヶ月程度前がおすすめです。

交渉を有利に進めるためには、相手が「物件を売りたい」と思っているタイミングで買いに行くことが大切です。
そして、最も営業マンが物件を売りたいと考えているのが決算前です。

不動産営業は1年毎に売上の目標が決まっており、目標に足りないと周囲からのプレッシャーが強くなったり、給与や昇進に影響したりします。
不動産業界以外にも、家電量販店などの小売店で決算セールが行われているのも同様の理由で、決算の前に売上の帳尻を合わせるために必死になるのはどこも同じです。

目標の達成のためには、物件価格を割り引いてでも売上を確保するしかありません。こうした状況を狙うことで、値下げ交渉を行いやすい環境をつくるのです。

逆に、それ以外のタイミングでは、値下げ交渉のハードルは上がります。
良い物件なら無理に急いで販売する必要もなく、交渉にはほとんど応じてくれないこともあります。交渉ができても売り主有利の価格交渉となり、大きな値下げは期待できません。

◯自分が良い買い手だということをアピールする
営業マンとの交渉の際は自分が良い客であると伝えることが大切です。

●印象をよく見せる
プロの不動産営業マンとは言っても相手も人間です。
印象の良い人には親切にしたくなりますし、態度の悪い人間に値引きをしてあげようとは思いません。
価格交渉をするなら、営業マンに良い印象を持ってもらうことがかかせません。

高価な買い物をしてやるんだと言うような、横柄な態度はNGです。
へりくだったり過剰に愛想よくしたりする必要はありませんが、挨拶や相槌はしっかり行い、相手の話をしっかり聞いているということを態度で示しましょう。

●有利になる属性があればさりげなくアピール
自分の属性(職業や年収など)で有利になりそうなものがあれば伝えておくことも大切です。

今の職業と年収、今後の昇給やキャリアアップの予定、学歴や資産の状況、親の資産や遺産などについても重要な情報になります。

こうした属性が重要な意味を持つのは、不動産投資はリピート購入が非常に多いことに理由があります。
投資に興味があり、今後も物件を購入できる程度にお金に余裕があると分かれば、これほど大切な客はいません。リピーターであれば、新規の客に営業をかけるよりもずっと効率がよく、トラブルなどの心配もありません。

こうした優良顧客は目前の売上だけでなく、営業マン自信の昇進にも関わります。そのため、不動産営業マンは常に良い顧客を捕まえられないかと、客の属性を気にかけています。
将来的に得られる利益を考えれば、多少の値引きは惜しいものではありません。

◯購入意欲を見せすぎない
価格交渉を有利に進める際に気をつけておきたいのが、こちらから値下げ交渉を行うのではなく、売主側に交渉を行わせるということです。
高く売りたい相手に値下げをお願いするという形にするのではなく、買おうかどうか迷っている客になんとか工夫して買ってもらうように頑張るという状況をつくりましょう。

そのため、具体的に物件を提示されてすぐに食いついてはいけません。購入意欲の強い客にわざわざ値引きするまでもないと思われてしまいます。

ただ、全く興味がないというのも相手にやる気を失わせてしまいますから、「興味はあるが、購入するかどうかが条件次第」というスタンスがベストです。これならば、営業マンはなんとかしてこちらの購買意欲を掻き立てようと様々な工夫を始めるはずです。

具体的な方法としては、現在他に運用している株などの利回りを例に上げ、これよりも良い利回りだったら購入しようと考えている、などと伝えるといった方法があげられます。このように伝えることで、最低でも現状の投資よりも良い利回りの物件を基準に交渉が進められるようになります。

◯投資シミュレーションは念入りに行う
投資物件の紹介には運用シミュレーションがセットです。

購入前にシミュレーションを確認することは重要です。
家賃収入はどれだけあり、維持管理にかかる経費はどの程度なのか、5年後・10年後に状況はどう変わるかなどをきちんと考えてからでなければ、不動産投資は失敗に終わります。

ただ、不動産業者が最初に提示するシミュレーションというのは見通しが甘いものが多いです。
やはり物件を魅力的に見せるためには、多少の誇張が必要になるのでしょう。

特に家賃の見通しは楽観的になりやすいです。
築年数とともに家賃はどんどん下がっていくのが普通です。シミュレーション上できちんと下がっているか、下がり幅は足りているかなどを厳しくチェックしましょう。
また、修繕費や清掃費など維持管理にかかる費用の見積もりが甘いケースも多いです。維持費や税金などの必要経費がシミュレーションに含まれているか、含まれている場合でも十分な額であるかどうかは良くみておく必要があります。

シミュレーションをきちんと見直すことで、相手にごまかしの聞かない客だということを印象づけることができ、その後に提示される価格もシミュレーションもより現状に沿ったものになっていきます。

◯最初の希望価格は低めに提示する
交渉を始めるときには、まず「この金額なら買っても良いと思っている」という価格を提示することになります。ただ「安くして欲しい」では売り主もどこまで下げることを求められているのかも、どんな手段で値下げに応じたら良いのかも分かりません。

この時、提示する金額は本来の希望価格よりも多く値引きされた金額にします。値引き額は希望額の1.5倍から2倍程度が目安です。例えば、2000万円の物件を1900万円で購入したいと考えている場合、本来希望している値引き額100万円の2倍の値引き、つまり1800万円だったら購入しても良い、と伝えます。

もちろんそのまま言ったとおりの値引きがされたらラッキーですが、要求がすんなり通ることはまずないでしょう。もしその金額では難しいと言われたら、どこまでであれば調整可能かを聞いてみましょう。こうすることで、その物件が最大でどこまで値引きできるかを知ることができます。

◯交渉には時間をかける
されに価格交渉を有利に進めるためのテクニックが、時間と手間をかけて交渉するということです。

時間と手間をかけるほど、それが徒労に終わるのは惜しくなります。営業マンの買わせようという気持ちが強くなり、値引きが期待しやすくなります。

不動産の値引きというのは、営業マン一人の権限では行えません。一旦社内で確認を取り、OKがでなければ値引きはできません。そのため、値引き交渉の結果が聞けるのは早くても2回目以降のアポイントメントとなります。
そして、2回目、もしくは3回目のアポイントメントで値引き交渉の結果が分かり、仮にOKがでていたとしてもすぐに契約してはいけません。値引き後の結果を一度持ち帰り検討することで、より時間をかけることができます。
ただ結果を聞いて帰るだけではもったいないですから、ついでに周辺の類似物件の価格なども調べてもらうと良いでしょう。他の物件の相場が分かれば、これから購入しようと思っている物件の価格が妥当かどうかの判断材料にもなります。

◯価格以外にも交渉の余地はある
投資物件の購入で交渉できるのは値段だけではありません。

契約内容や条件なども交渉の対象になります。
特に金額面での値下げ交渉が難航し、予定通りの価格まで値下げが難しくなってしまった場合は、価格以外の部分で交渉することで工夫するのがおすすめです。

例えば、提携金融機関のローンの金利を0.1%下げてもらうなどの交渉も、直接金融機関に掛け合うよりも間に不動産会社を挟んだほうが有利になります。
不動産購入時にかかる費用の内訳をチェックし、削れないものがないかどうか確認するのも良いでしょう。
サブリース契約がセットになった物件なら、免責事項をみてみるのもおすすめです。サブリース契約では多くの場合、契約後一定期間家賃を免除するというルールになっています。営業マンに交渉して、面し所期間を減らしたり、なくしたりできないか聞いてみるのも一つです。

物件価格を下げるのは難しくても、それ以外の部分については交渉の余地があることは多いです。交渉の最後の人教として「この部分だけなんとかなれば、契約に踏み切る」と伝えるのは非常に有効な手段です。