不動産投資を検討する際に選択肢となるのは、中古物件にするか新築物件にするか、もしくはアパートかマンションかなどで、いずれも国内不動産を前提として考えている人が多いです。
しかし、今は副業投資家の間でも海外不動産への投資がどんどん広まっています。

ただ、海外不動産への投資がトレンドになりつつあるとは言っても、海外への投資にリスクや不安を感じている人も多く、なかなか手が出しにくいのが現状です。
そこで今回は、海外不動産投資のリスクとメリットについて考えていきます。

◯国外不動産の動向
海外に投資するにあたって最も恐れられているのは、国内不動産に比べて高リスクでないかという部分です。そこで、ここ数年の国際経済の状況や現在の不動産価格をふりかえり、今後のリスクとその対策についてまずは見ていきましょう。

●近年の世界経済
ここ数年、世界経済は概ね安定傾向にあります。全く懸念がないわけではありませんが、一時の落ち込みに比べて回復傾向にあり、今後しばらくは同様の状態が続くことが期待できます。

まずアメリカ経済ですが2010年以降はGDP成長率がおおよそ2%前後と堅実な推移を見せています。ヨーロッパも同様手堅い傾向で、トルコリラや移民問題など不安要素はあるものの、全体としては落ち着いています。

アジアについては欧米諸国よりも高いGDP成長率を維持している国が多く、投資も活発です。中国は一時の不動産バブルから落ち着き、以前よりも投資しやすい環境になっています。
成長著しい東南アジア諸国についても、大きな危機を起こすこともなく、5%から7%の高い成長率が続いています。

●現在の不動産価格
不動産投資の大きな不安要素がバブルです。
株も同じように投資の対象ですが、バブルを抑えられる仕組みがあるため、不動産ほど価格が急騰する恐れは少ないです。

さて現状の海外の不動産価格ですが、専門家の間ではバブル価格ではないという見方で一致しています。
不動産価格そのものは上昇傾向にありますが、同じように賃料や家賃も上がっています。リーマンショック以降GDPも伸びており、現在の不動産価格上昇は経済状況を反映したものだと考えられています。

●これから考えられる経済危機
・バブルは起こり得るか
現状の不動産価格上昇がバブルではないとして、これからバブルが起こる可能性はどの程度あるのでしょうか?
バブルというのは投資されるものの本来の価値と現在の価値に大きく開きがある状態のことです。しかし例えばアメリカの場合であれば、今の経済成長や株価、不動産価格には企業の増益というきちんとした根拠があります。この状況から今後バブルにすぐ繋がるというのは考えにくく、他の海外不動産にも同様のことが言えるでしょう。

・リーマンショックのような金融危機は再び起こるか
海外不動産投資を検討する際2008年のリーマンショックがちらついて不安で仕方がないという人も少なくありません。
ただ、リーマン以降各国で対策が練られています。自己資本率を上げる、格付け機関への規制強化など、第二のリーマンを起こさないよう細心の注意を払っています。少なくとも今後しばらくの間は大きな金融危機のリスクは低いと考えて問題ありません。

・国際情勢の懸念
むしろ不安視するべきなのは、中東での軍事衝突や、北朝鮮問題などでしょう。
軍事衝突が発生した場合、海外不動産のみならず投資全体が影響を受けます。こうしたリスクに備えるには、海外不動産より国内不動産を選択するという対策では不十分です。投資環境全体へのリスクに対しては、円預金・外貨預金を増やす、金資産の割合を増やすなどが有効となります。

◯あえて海外不動産に投資する理由は?
世界経済が安定傾向にあり、懸念材料を考えるなら投資そのものがリスクです。投資の手間を考えるなら国内不動産でも十分に思えますが、あえて海外に投資する理由はどこにあるのでしょうか?

●経済成長率の高さ
やはり海外不動産投資の一番のメリットは、経済成長率が高い国があるということでしょう。

日本のGDP成長率は1%前後ですが、東南アジアや中国の場合、成長率は5~6%、アメリカの成長率でも2%程度あります。同じ金額を投資するなら、海外に投資した方が期待値も高いです。
また、長期的な観点で考えると、国内経済は縮小リスクが高いです。5年10年の中期スパンで見ればある程度の利益が見込めますが、20年後30年後となると人口減などのリスクを考えなくてはならなくなります。家賃収入を得ることは可能でも、物件そのものの売却益を得るのは難しくなるでしょう。

●分散投資によるリスク回避
リスク回避の視点で考えても、海外投資はメリットです。
海外不動産への投資はリスクが高いと思われやすいですが、資産を分散させる必要を考えると、国内不動産のみに絞って所有している方が高リスクであるとも考えられます。

将来を見据えて投資を行う場合、海外資産を持っておくのが好ましいと言うのは、GPIFのポートフォリオからも明らかです。GPIFは日本の年金積立金を運用している期間で、資産は150兆円を超えています。
現在、GPIFの資産構成割合は国内資産が6割、海外資産が40%です。2014年の時点では海外資産は23%だったのですが、ここ数年でその割合を大きく伸ばしています。
日本の年金積立金という重要で大きな資産の4割もが海外資産であることからも、それだけ分散投資が重要であると証明できるでしょう。

◯海外不動産投資の流れにのるなら今
ただでさえハードルの高い不動産投資、まして海外の不動産となると慣れた人でも手を出すのは躊躇してしまいやすいです。しかし、「海外」だからこそ高リスクと言えるような要因はなく、現状考えられる問題点も海外不動産に限った話ではありません。
むしろ、経済成長率の高い国の多さや分散投資のメリットを考えると、国内不動産のみに絞って投資するよりも、海外不動産にも積極的に投資するべきでしょう。

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