今やマンション投資の主戦場は中古マンションです。
新築マンションの供給もまだまだ続いてはいるものの、2016年の時点ですでに市場に出されるマンションの半数以上が中古マンションとなっていました。
流動性が高いマンションは投資物件向きで、新築のプレミア価格を恐れる必要のない中古物件ははじめての投資にも向いています。
ただし、中古物件には新築物件にはない特徴や注意点があり、それらをきちんと把握した上で投資を行わなければ大失敗につながります。
では、どんな点に気をつければ、中古マンション投資で失敗せずに済むのでしょうか?

◯情報源は複数用意する
●複数の不動産情報サイトをチェックする
中古物件は数が多く、どんな物件を購入するかを決めるだけでもたくさんの選択肢があります。

新築物件ならば販売している不動産業者に話を聞けば概要が分かりますが、中古物件は十人十色。無数にある中古マンションの中から最も良い物件を選ぶためには積極的な情報収集がかかせません。

まずはSUUMOや楽待、LIFULL HOME’Sなど複数の不動産サイトに登録し、気になる物件を登録しておきましょう。登録した物件が値下がりしたり、条件にあった物件が登録されたりした際に通知が届くようになります。めぼしい物件を見つけるだけでなく、トレンドを掴むのにも役立ちます。

●複数の仲介業者や不動産業者から話を聞く
情報収集だけでなく、実際に物件を購入する段階になっても、いくつかの業者の話を聞くことが大切です。

業者ごとに得意な物件のタイプや、エリア、持っている情報は異なります。複数の業者とつながりを持つことで、不動産業者しか知りえないような最新の情報をより多く手にいられるようになります。

◯最初の物件はワンルームなど単身向け物件を選ぶ
慣れないうちはファミリータイプの広い部屋よりも、ワンルームマンションなど単身向け物件を購入しましょう。
家族向けの物件は家賃が高く、魅力的に見えるのですが、リスクも高く、初心者のうちは手を出さないのが無難です。

●ファミリー向けは空き室リスクが高い
一般的に、入居年数は単身世帯よりもファミリー世帯の方が長いです。

一見、長く住んでくれるファミリー世帯の方がありがたいように思えますが、入居年数が長いということはそれだけ引っ越しが少ないということです。一度退去者が出るとなかなか次の入居者が見つかりにくく、空き室リスクが高くなってしまうのがファミリータイプ物件の欠点です。

しかも家賃が単身向けよりも高いため、一部屋空いただけでも収支への影響が大きくなります。ローンの返済を考えると、急に収入が減る可能性があるのは非常に怖いです。
いくつか持っている物件の一つがファミリータイプならばまだ空き室になってもダメージは小さいですが、最初の一部屋としては向いていません。

●ファミリー世帯の減少
そもそも単身向け物件に比べ、ファミリー向け物件の需要が減少しているという問題もあります。

総務省の調査では、東京都のファミリー世帯数のピークは2016年で、それ以降は減少していくだろうと予想されています。一方の単身世帯は少なくとも2035年までは増加していくだろうと考えられています。
人工増加の傾向にある東京都でも、今後ファミリー向け物件は供給過多になっていく可能性が高いです。10年後、20年後のことを考えるなら、ファミリー向け物件に手を出すのはリスクが高いです。

●ファミリー向け物件は面積あたりの家賃が安い
家賃が高く、収益性に優れているように見えるファミリー向け物件ですが、面積あたりに変換すると、単身向けのものよりも家賃が安いです。広さや価格から考えると投資効率が悪いため、やはり最初に手をつける物件としては不向きです。

◯中古マンションで避けるべき物件はどんなもの?
●人口減少エリアの物件
地方や郊外は物件価格が安く、利回りが良いためついつい手を出してしまいがちです。

しかし、地方や郊外は今後人口減とともに賃貸需要が減少していく可能性が高いです。
安く物件を購入できても、入居者がいなければ意味がありません。部屋が余れば家賃を安くしなければ入居者が得られなくなるリスクがあります。

安全牌を取るなら、都心の駅近物件がおすすめです。都市部は人口減のリスクが低く、駅周辺の利便性の高いエリアなら需要は常に見込めます。
地方や郊外の物件を購入する場合は、これまでの人口の推移や今後の予測をきちんと調べてからにしましょう。

●家賃が安すぎる物件は避ける
地方や郊外の利回りの良い物件は、利回り自体は良くても家賃が安いケースが多いです。
しかし、家賃が低すぎると管理費や修繕費の占める割合が多くなってしまうため、家賃の安い物件は避けた方が良いでしょう。家賃の目安は6万円で、これ以下の家賃の物件はリスクが高くなりやすいと覚えておいてください。

管理費や修繕費は物件価格や家賃収入にかかわらず一定以上必要になります。
家賃4万円の物件で管理費が1万円かかるよりも、家賃8万円の物件で管理費が1.5万円の物件の方が良いのは明らかです。どんなに家賃の安い物件でも、1万円前後の管理費・修繕積立金があるため、家賃が安ければ安いほど収支が悪くなります。
更に、退去者が出た場合はクリーニングや修繕にお金がかかります。これらの費用も、家賃にかかわらずある程度かかることを考えると、やはり家賃の安い物件は出費が多くなりやすいと言えるでしょう。

●1981年(昭和56年)以前に建てられた物件
中古物件の築年数をチェックする際に最も気をつけるべきポイントは、1981年以降に建てられた物件かそうでないかということです。

1981年に耐震基準が大きく変わったため、それ以前とそれ以降では建物の耐震性に差があります。これ以前の物件を購入する場合は、耐震化工事を行っているかどうかをよく確認しましょう。
もちろん安全面の理由もありますが、これから耐震化する建物の場合、耐震化工事のための工事費が必要になる可能性があるためです。

◯物件選びのチェックポイント
投資用に中古マンションを購入するにあたって、まず避けるべき物件について紹介してきました。ここからは、更に細かく物件を選ぶ時に確認しておきたいポイントについて解説していきます。

●入居者の目線で考える
たとえ投資用のマンションだったとしても、そこに住む人の気持ちを考えることは大切です。

物件を購入する前に、自分が賃貸物件を借りる時と同じように周辺状況について調べておきましょう。
周辺の家賃相場や利便性、治安などの周辺環境、設備などを調査し、その部屋に住みたいかどうかを借りる人の立場になって考えてみてください。
もし他の部屋よりも魅力がなさそうだと思ったら、その物件には入居者が集まりにくいということです。

また、口コミサイトなども貴重な情報源です。
管理状況や設備の使いやすさ、問題のある入居者がいないかなども重要なポイントです。マンションの口コミサイトの例としては「マンションノート」等サイトが挙げられます

●部屋の状態を確認する
中古マンションをチェックする際に最も重要なのは、部屋のコンディションのチェックです。
不具合や欠陥などの瑕疵がないかどうか入念なチェックを行いましょう。

新築物件の場合、10年の瑕疵保険があります。何か問題があれば売り主に責任を問えます。しかし中古マンションの瑕疵については、売り主に責任があるのは数ヶ月というのが普通です。気がついた時には手遅れという事態にならないよう、確実に状態を把握するようにしましょう。
ただ、一度の下見では探しきれなかったり、住人がいてチェックしにくかったりする場合もあります。どうしても事前に状態を把握しきれないようなら、その物件を諦めるのも選択肢です。

以下に、物件の状態について確認する際に見ておくべき具体的なポイントをいくつか紹介します。

・雨漏りの有無
雨漏りは住宅の天敵です。
壁や天井にシミはないか、変に濡れている場所がないかを良く見ておきましょう。
クローゼットや作り付けの棚の中もよく確認します。
木造の場合はシロアリがいないかどうかもよく確認し、床下のシロアリ対策がキチンと行われているかも尋ねておくと良いです。

・水回り
給排水管の詰まりや漏れなどがないかをチェックしましょう。

・設備
給湯器やガスコンロが問題なく動作するか確認します。
その他の設備についても故障や不具合がないか一つ一つチェックしてください。

・建具
ドアや建具などの開閉に問題がないか、鍵が締まりにくかったり、窓に隙間があったりしないかなども良く見ておきましょう。

費用はかかりますが住宅診断(ホームインスペクション)を利用するのも良いでしょう。一回5万円ほどかかりますが、住宅のプロが確認するため確実性と安心感は段違いです。特に数千万円以上の高額物件を購入する際は、こうした専門家の力を借りることも視野に入れましょう。

●マンションの管理状況も確認
部屋だけでなく、マンションの共用部分についてもよく見ておくようにしましょう。

建物の管理や管理組合がいい加減だと、見た目が悪くなるだけでなく、修繕や清掃、使い勝手に問題が生じやすくなります。
管理の行き届いていないマンションは入居者が集まりにくいだけでなく、退去者も多くなりやすく、空き室リスクを大きく上昇させてしまいます。

マンションの管理状況についてチェックする際は、以下のような点を観察するのが良いでしょう。

・清掃状況
エントランスや階段、廊下、ゴミ置き場などがきちんと清掃されており、ゴミが残っていないかどうか。

・点検状況
エレベーターや消防設備、貯水槽、浄化槽の定期点検が行われており、記録がきちんと残されているか。

・修繕履歴
修繕の記録、特に最後の修繕がいつ行われ、次の修繕の予定がいつごろか。

●築15年以上の物件は大規模修繕に注意
マンションの場合、築15年が大規模修繕工事の目安にになります。

修繕工事の費用は修繕積立金として管理費とともに回収されていますが、マンションによっては積立金の滞納があったり、予想以上に工事費がかさんで積立金が足りなくなったりするケースがあります。
工事費が足りない場合、大規模修繕の費用は一時金として徴収されることになります。

修繕工事の直前に物件を購入してしまうと、家賃収入よりも維持管理のための出費が多くなってしまいます。築年数の経過した物件を購入する際は、前回の大規模修繕がいつ行われたのかを必ず確認するようにしましょう。

●なぜ物件が売りに出されているのかを考えてみる
売るために建てられる新築とは違い、中古物件には必ず売りに出される理由があります。

もし利回りが良くて空室率が低く、駅からのアクセスも設備も良い完璧な物件であれば、売ってしまう必要はありません。そのまま所有しているはずです。しかし、売りに出されているということは、そんな完璧な物件ではないということです。

利回りはいいがアクセスが悪く空室率が高かったり、駅近ではあるものの老朽化が目立ってきていたり、築年数の経過で家賃を下げなければならなかったりなど、売りに出されている物件は、所有され続けている物件に比べてどこかしら欠点や問題を抱えています。

もちろん、建物に問題がなくても、売り主都合で売りに出されている場合もあります。
急にまとまったお金が必要になってやむなく手放すケースもありますし、早めの損切りのために売却を考えている人もいます。より良い物件を購入するために売却するケースもあります。

ただ、条件の良い物件というのは早々売りに出されるものではありません。どんな理由によって売りたいと思われているのかを考えてみることで、その物件の抱えている問題点を見つけやすくなります。

◯中古マンションの購入前には価格交渉をする
新築とは違い、中古物件は価格交渉の余地が大きいです。

前述のように、中古物件には売りに出される理由があります。売り主の動機を活かせばより低価格で物件を手に入れることが可能になります。

中古物件の価格は売り主が決定しますが、価格決定の方針には2種類あります。
一つは、絶対にこの値段で売りたいという決め方。
もう一つは、この値段で売れたら嬉しいという希望の価格をつけるもの。
前者の場合は交渉が困難ですが、ほとんどの場合は後者です。提示されている価格はあくまでも希望のため、交渉で安くできる可能性は十分にあります。

更に、物件は所有しているだけでもお金かかかりますから、買い手がつくなら早く手放したいと考えている人も多いです。特に売出しから時間の経過している物件の持ち主は焦り始めているため、交渉のチャンスです。

物件の状態や周囲の状況など、これまで解説したポイントをしっかり押さえていれば、どうやって交渉すればいいかは分かっているはずです。売り主も、売却を考えている以上はその物件の欠点や問題点については把握しています。価格交渉の理由となりそうな点を指摘していけば、思っているよりもすんなりと交渉は進んでいくでしょう。

仲介業者の力を借りるのも良いでしょう。
不動産業者は仲介手数料が入らなければ利益が出ません。購入の意志があり、その上で価格交渉をしていると分かれば、彼らも協力してくれます。

物件の購入価格を抑えることができれば、仲介手数料が安くなるのはもちろんのこと、ローンの返済額も抑えられ、より安定した運用が可能になります。

◯ポイントを抑えて安定した中古マンション投資を
近年より人気の高まりつつある中古マンション投資ですが、中古物件ならではの注意点も多く、購入時には様々なポイントを抑えておく必要があります。
しかし、情報収集をキチンと行い、その物件についてよくチェックしておけば、思い切った価格交渉がかのうなのも中古マンションの魅力です。

ポイントを抑えた堅実な物件選びで、安定した運用を目指しましょう。

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